本日の授業は機械式時計ムーブ7001の返却と各自の課題でした。
先日時計修理技能士の試験も終わり、本日久しぶりに会った生徒さんは皆リラックスした雰囲気で、もうすぐ卒業を迎えますが各自やり残したことをしておりました。
7001は1年の最初の方で触る機械式時計で、色々な時計を触って来て今になって思いますが、大きすぎず小さすぎず、機械も組みやすく基本の様な時計と思っております。
「返却して~」と先生の声がかかった時には、1年通じて分解組み立てで触っていた生徒さんも愛着が湧いたという声も聞こえました。
各自の課題では 道具の作製やスケルトン時計の作製を行っていました。
授業風景スケルトン時計制作過程

生徒さんの作品を一部撮らせていただきました。
今年の生徒は皆さん頑張ってくれて無事卒業まであと少しとなりました。
初めのうちは小さな部品に恐る恐る触っていた人も今日は自分で入手した時計のオーバーホールなどをしており1年の成長がうかがえました。
またこの業界の店を継ぐ決心がついた方、業界への就職が決まりここで得たスキルを活かす方が今年は多く見られ、うれしく思えました。
来年度の生徒さんも半分以上決まり残り僅かと聞いております。
自分も興味がありスキルを得たい方は、まだ間に合いますので問い合わせてみてください。
時計の部品には色々な役割があり、通常の時計を分解組立する際に、
各部品がどのような役割で存在するかを意識して、
組立時にどのように配置されているかを今後の修理作業でも注視してもらう意味も込め、
今回は時計ではなく、単式のストップウオッチの分解・スケッチ・組立を行いました。
カム・レバー・ばねの原理を理解しながら、
どのように作用しあって駆動しているかを学びました。
今回は旋盤による巻真作りです。
これまでの知識を用いて、実際に使える巻真を鉄棒から製作していきます。
巻真に特有の角柱部を作製するため、一部旋盤に材料(ワーク)を固定したまま、
やすりを使って仕上げる作業を実施したり、
りゅうずを付けるねじ部を作るため、ダイスを付き合って雄ネジ切りにも挑戦しました。
ワークの付け替えが発生したり、切削手順もあるため、
間違った手順で作業を行い、途中で折ってしまう生徒もいましたが、
完成した生徒は実際の時計に組み込み確認し、うまく作動していました。
また実際に作製はしなかったのですが、ビデオにて天真の作り方の説明もあり、
旋盤の様々な使用方法についても勉強しました。
先日の旋盤の基礎を踏まえ、今回はタガネとキリ(ドリル)の作製を行います。
まず旋盤にて、タガネを作製します。
旋盤を駆使して、先端部が折れないように曲率をつけ、
決められた寸法に形状を整えていきます。
実際に使えるかどうか、クロックのゼンマイ材料を打ち抜き確認しました。
次に、キリ作りです。
時計部品のサイズになると、市販のドリルでは細長すぎて折れる場合などがあり、
2枚刃のドリル(キリ)を作ることを想定し、位置から製造方法を学びました。
こちらも同じく、真鍮材料に穴あけを試し、実際に使えるか確認しました。
今回の授業は、時計旋盤を用いた切削加工を行いました。
旋盤加工は、高速で回転する金属棒を、
バイトと呼ばれる工具を用いて、削っていきます。
本日は工具作りからスタートです。
超鋼と呼ばれる素材を削り、3種類のバイトを作製します。
回転砥石に素材を押し付けながら、形状を整えています。
仕上げに使用するバイトは、さらに目の細かい砥石で研磨し仕上げます。
実際に加工スタートです。
真鍮、焼き入れ前の鉄、焼き入れ後の鉄、ステンレスを切削し、
削りやすさなど、各素材の違いを経験しました。