【授業レポート】初めてのクォーツ時計分解実習 ― ETA955.112を教材に
【授業レポート】初めてのクォーツ時計分解実習 ― ETA955.112を教材に
今週の授業では、初めてクォーツ時計の分解実習を行いました。機械式時計とは異なる構造と動作原理を持つクォーツムーブメントに触れることで、生徒たちには新たな視点と学びを得てもらうことが目的です。使用したムーブメントはETA製のCal.955.112。現代のクォーツ時計に広く使われている、信頼性の高い定番ムーブメントです。
今回は完全な全バラシではなく、安全を考慮しながらステップモーター周辺や輪列の構造に重点を置いて分解しました。
輪列の組み立てに悪戦苦闘
生徒たちが最も苦戦していたのは、輪列の再組み立てです。クォーツ時計の輪列は、機械式時計と比べると一見シンプルにも見えますが、実際にはホゾが非常に細く繊細なため、正確な位置合わせと注意深い作業が要求されます。ピンセットを持つ手にも緊張が走っていました。
クォーツならではの学び
今回の授業を通じて、機械式時計との構造の違いや、クォーツムーブメント特有の部品(ステップモーター、電子回路、コイルなど)に実際に触れることで、より広い視野で時計を理解できたように思います。
クォーツだからといって「簡単」とは決して言えない、精密機械としての一面を生徒たちは肌で感じ取ったようでした。