定電圧器の授業 — “作って学ぶ”簡易可変電源装置
定電圧器の授業 — “作って学ぶ”簡易可変電源装置
先日の授業テーマは「定電圧器」。
とはいえ、実際に製作してみると、ただの定電圧器にとどまらず“簡易可変電源装置”としても機能する、非常に実用的な回路です。
自分で考え、自分で作る
授業では、あらかじめ用意された回路図をそのまま真似るのではなく、生徒一人ひとりが自分で回路を読み取り、構成を考えながら製作します。
電子回路に苦手意識を持つ学生も多いですが、「時計を動かすための道具を自分で作る」という目的があると、自然と理解も深まります。
用途と特徴
完成した装置は、以下のような用途で活躍します。
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0V〜3Vの電圧出力が可能
→ 電圧を自在に調整できるため、各種クォーツムーブメントのテストに対応。 -
電池が無くても時計を動かせる
→ 実習やオーバーホール後の動作確認時に便利。 -
音叉時計(1.35V)にも対応
→ Accutronなどの特殊モデルにも使用できる電圧域を確保。 -
停止電圧の測定も可能
→ 時計がどの電圧で止まるかを簡易的に確認でき、かつて技能検定でも問われた重要なポイントを実践的に学べます。
理論と実践をつなぐ授業
この授業の狙いは、単に“動くものを作る”ことではありません。
理論回路を実際の時計整備にどう活かすかを体験的に理解すること。
電子技術が時計修理の基礎の一部であることを、身をもって実感できる授業となりました。